周波数空間の概念とフーリエ解析は線形システム理論やX線回折像の解析では、なくてはならないスキルである。聴覚や視覚の理解においても、表面的な技術論以上に、それらの理解が本質的な重要性を持つ。拡張された「視覚受容野」の概念は時空間(X, Y, T)と時空間周波数(Fx, Fy, Ft)の両方にまたがって定義されるからである。最近の研究からも、これらは中間段階の視覚野であるMT野の機能の理解には欠かせない。これらの概念の理解を増進するために、研究室では、リアルタイム動作可能な1個の視覚野細胞のシミュレーター(VNS)を開発した(とりあえず、MT野のニューロンについて)。VNSは、最近ではどのPCにも内蔵されているビデオカメラを入力とし、1個の視覚ニューロンの細胞の反応をリアルタイムで出力する。このようなツールが、どのように直感的な理解の助けとなるかを、受容野モデルと対比しながらデモを交えて解説する。
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