物質にレーザー光を入射すると、そのミクロなゆらぎによって入射光とは異なった振動数の光が放出される。この散乱光のスペクトルを解析すると、フェムト秒程度から始まる広範な時間スケールのゆらぎに関する情報を得ることができる。最近、光散乱スペクトルを精密に測定することにより、量子統計力学から一般的に期待される特徴を有していないゆらぎのあることが明らかになってきた。液体中のピコ秒オーダーのゆらぎなどの観測例を紹介し、量子的ゆらぎから古典的ゆらぎへの発展過程について考察したい。
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