【講演案内】
演 者:胡桃坂 仁志(早稲田大学理工学術院・教授)
所 属:早稲田大学理工学術院
演 題: 「エピジェネティクスの基盤としてのクロマチン高次構造解析」
要 旨:
Tel :4621
E-mail:askw@fbs.osaka-u.ac.jp
演 者:胡桃坂 仁志(早稲田大学理工学術院・教授)
所 属:早稲田大学理工学術院
演 題: 「エピジェネティクスの基盤としてのクロマチン高次構造解析」
要 旨:
クロマチンは、ヌクレオソームがリンカーDNAによって連結されたタンパク質?DNAの高次複合体であり、真核生物のゲノムDNAを細胞核内に収納するために重要な働きをしている。基本単位であるヌクレオソームは、8分子のヒストン(H2A、H2B、H3、H4がそれぞれ2分子)におよそ150塩基対のDNAが左巻きに巻き付いた構造体である。ゲノムDNAの転写、複製、修復、組換えなどの諸反応は、クロマチン中において成し遂げられている。そのために、クロマチン構造は柔軟かつダイナミックに変動することで、ゲノムDNAの諸反応を調節している。加えて、クロマチンの高次構造が、セントロメア、テロメア、ヘテロクロマチンといった染色体ドメインの形成と機能発現に重要な役割を果たしていると考えられている。このようなクロマチン高次構造とダイナミクスは、種々のヒストン翻訳後修飾やヒストンバリアントによって制御されていることが、近年の研究によって明らかにされつつある。しかし、クロマチンを介したゲノムDNA機能の制御メカニズムは、クロマチンの高次構造が不明なため明らかにされていない。そこで本セミナーでは、X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡などの手法による、生化学や細胞生物学的な機能解析と連携した構造生物学的アプローチを紹介し、エピジェネティクスの根幹である、クロマチンの高次構造とダイナミクスによる"染色体でのゲノムDNA機能の制御メカニズム"について議論したい。
Tel :4621
E-mail:askw@fbs.osaka-u.ac.jp