Quantcast
Channel: 大阪大学大学院生命機能研究科
Viewing all articles
Browse latest Browse all 869

第138回生命機能研究科研究交流会2016年6月1日(水)12時15分~13時講演:北川大樹 先生(国立遺伝学研究所 中心体生物学研究部門・教授)

$
0
0
【講演案内】

演者: 北川 大樹

所属: 国立遺伝学研究所 中心体生物学研究部門・教授    

演題: 「進化的に保存された中心小体複製の基本原理」    

要旨: 生命の有する最も基本的な特性の一つは「自己複製」です。これは単細胞生物など個体レベルで考える事もできますし、DNA複製など遺伝情報レベルで考える事もできます。同様に真核細胞において10億年に渡り、進化上保存されてきた細胞小器官である中心小体も細胞周期ごとに一度だけ半保存的に複製されます。中心小体は微小管-分裂期紡錘体形成中心として機能し、染色体分配やその安定性維持にも重要な役割を担っています。中心小体は繊毛基底部としても機能し、染色体不安定化を起因とする細胞がん化、繊毛病などの遺伝子疾患、男性不妊など多くの疾病にも深く関与することが知られています。中心小体という細胞内シリンダー型構造体の複製は多種のタンパク質による「自己組織化」と捉えることもできます。「半保存的」「1細胞周期に1コピー」とDNA複製との共通項がありながら、複製システムとしては全く異なるメカニズムが推測されます。

現在、当研究室では、中心小体複製に介在する基本原理の理論構築、分子機構の解析を精力的に進めています。これまでの解析から、中心小体構築の初期過程において、進化的に保存された因子間の相互作用が中心小体の複製を1コピーに制限するのに重要であることが明らかになってきました。また、ヒト培養細胞における超解像顕微鏡観察やin vitro再構成系を用いて、微小空間において中心小体構成因子群がどのように構造体を構築し、複製制御を厳密に行っているのか解析を進めています。本セミナーでは、中心小体複製の原理を説明しうるいくつかのモデルに関して議論したいと思います。

参考文献: Shiratsuchi G. et al., EMBO J. (2015), Ohta M. et al., Nature Communications (2014), Kitagawa D. et al., Cell (2011), Dev Cell (2011), Dev Cell (2009)


(※北川先生と面談希望の方は堀までご連絡ください。
     本セミナーの前日5 月31日(火)14:00~セミナー当日の16:00頃まで滞在のご予定です。)



【実施報告】
コロキウム終了後掲載いたします。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 869

Trending Articles