$ 0 0 図1.オートファゴソーム形成の模式図細胞の中に、膜で出来た袋を押しつぶしたような皿状の隔離膜というものが忽然と現れ(幾つもできる)、その皿の縁が伸びながら曲がってツボ状に。そのときに、掃除すべき壊れたオルガネラや古いタンパク質、病原体などが包み込まれる。最期にツボの口が閉じて、オートファゴソームが完成する。その後、消化酵素を内蔵する別のオルガネラ・リソソームが融合しオートリソソームとなり、消化酵素が流れ込んで閉じこめたものを分解。分解が終わるとオートリソソームは消えていく。オートファゴソームの形成は、5〜10分でおこる。 図1.オートファゴソームが実際に造られる様子青がミトコンドリア、赤が小胞体、緑がオートファゴソーム。各オルガネラの目印タンパク質に蛍光タンパク質をつないだ遺伝子を細胞に組み込み、オルガネラが違う色の蛍光を発するようにし、3色を同時観察できるレーザー顕微鏡で動画撮影を行った(一番上の段)。このような3色同時動画撮影は技術的に極めて困難で、カメラを3台接続したレーザー顕微鏡を新たに作り、デジタル画像解析技術を駆使するなどの努力を重ねた末に遂に成功した。見やすくするために真ん中と下の段は、各々ミトコンドリアとオートファゴソーム、小胞体とオートファゴソームだけが見えるようにしている。網目状のミトコンドリアも小胞体もダイナミックに動いているが、両者が接触しているポイントでオートファゴソーム(点に見える)ができている様子が分かる。世界で初めて撮影された映像である。