Quantcast
Channel: 大阪大学大学院生命機能研究科
Viewing all articles
Browse latest Browse all 869

「B細胞白血病発症における転写因子EBF1の役割」米谷耕平(マックスプランク研究所(Freiburg)免疫学・エピジェネティクス学センター)

$
0
0

B細胞分化に必須の転写因子EBF-1の発見で知られるGrosschedl研での研究をご紹介頂きます。

講演は日本語で行われます。

日時

2016年6月17日(金)13:30~14:30

場所

ナノバイオロジー棟3F セミナー室

演者

米谷耕平(マックスプランク研究所(Freiburg)免疫学・エピジェネティクス学センター Rudolf Grosschedl研究室 ポスドク研究員)

演題

B細胞白血病発症における転写因子EBF1の役割(Ebf1 haploinsufficiency in B cell leukemia)

要旨

転写因子Early B-cell factor1 (EBF1) は正常造血においてB細胞の分化ならびに維持に必須の因子である。しかしながら非正常時、とりわけ造血系腫瘍発症における働きに関してはよく知られていない。一方、ヒトB細胞急性白血病患者においてはEBF1の片アリル欠損がしばしば報告されている。またEBF1と同様にB細胞分化に必須の転写因子であるPax5も同時に欠失している例が報告されている。そこで、EBF1, Pax5の欠失がB細胞白血病に何らかの役割を果たしている可能性について検証するために、モデル系としてEbf1(+/-);Pax5(+/-)二重ヘテロ接合体マウスを用いて解析を行った。その結果、このマウスは生後約半年後以降にプロB細胞を起源とするB細胞急性白血病を発症した。また、この白血病は生存と増殖をIL-7-STAT5経路ならびに一炭素代謝系の一つ葉酸経路に依存していることが分かった。本セミナーではEBF1, Pax5の発現が適正に維持されないと何が起こるのかということについて論じたい。

参考文献

  1. Boller and Grosschedl; Immunol. Rev. (2014)
  2. Boller et al.; Immunity (2016)
  3. Treiber et al.: Immunity (2010)

世話人

長澤丘司(大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科・医学部 幹細胞・免疫発生研究室)
Tel: 06-6879-7967


http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/jpn/seminar/seminar/docs/fbs-seminar-nagasawa-20160617.pdf

Viewing all articles
Browse latest Browse all 869

Trending Articles