日時
2018年3月28日(水)16:00〜17:00
場所
吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
演者
石井浩二郎(大阪大学)
演題
染色体のエンコード遺伝子非依存的な過不足効果
要旨
染色体はゲノムの担い手であり、遺伝情報に基づく生命プログラム遂行の要となる高次複合体である。そのため、細胞はあらんかぎりの手を尽くして染色体の安定維持に努力する。しかしそれでも染色体の安定維持は破綻する可能性が完全には拭い去れない。その原因の一つは、ゲノムが複数の染色体に分割して担われることにある。単一の染色体であれば比較的容易に達成できる細胞分裂時の正確な均等分配も、それを複数の染色体から成るセットに対して組織的に進めようとすると、その工程は格段に複雑となり、失敗リスクも飛躍的に増大する。それでもなお、この地球上のほぼ全ての真核生物がゲノムを複数の染色体に分割し続ける理由は何だろうか?最初に述べたとおり、染色体はゲノムの担い手であり、染色体の均等分配の失敗による過不足が細胞に与えるインパクトもやはり、過不足染色体にエンコードされた遺伝子に由来すると考えるのが自然である。しかし、生命プログラムの要である染色体には、実はエンコード遺伝子に依存しない効果も宿されている可能性が挙げられる。そのような効果の大きさに関する一考察を行いたい。
世話人
深川竜郎
Tel: 06-6879-4428
E-mail: tfukagawa@fbs.osaka-u.ac.jp
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/jpn/seminar/seminar/docs/fbs-seminar-fukagawa-20180328.pdf