11月4日、立命館大学キャンパスにて行われた、Japan Super Science Fair(JSSF)2016の世界の高校生へ向けたサイエンストークにて、本研究科、倉橋教授、竹内准教授が、物理化学的なアプローチによる嗅覚のメカニズム研究について講演されました。
立命館高校のJSSFは約一週間に渡って、20カ国以上の国からの高校生が集まり、日本のいくつかの高校とともに科学を中心に知見を深め、講演会・研究発表を通して議論を重ねて交流を深める会です。
高校生がサイエンスを学ぶ取り組みとして、国際会議さながらにすべて英語で普通にとりおこなわれていること自体も衝撃的でした。
倉橋教授・竹内准教授のサイエンストークでは、香りのサンプルを使った、体験型のやりとりも交えて、10万種類以上のにおい分子を嗅ぎ分ける嗅覚の不思議とその裏側を、丁寧なバックグラウンドから研究室の最新知見にいたるまでお話しされました。
嗅覚の話には嗅覚マスキングという、まだ見つかったばかりの新しい概念の提唱もありました。ワインの風味の劣化(ブショネ)はその中に含まれる原因物質2,4,6- trichroloanisole(TCA)が嗅覚経路を特異的に阻害することによるものである、といったこともとても新しくワクワクするストーリーでした。
お話しの内容には専門的な内容も含まれていたものの、皆さんの目がキラキラと初めて耳にする内容を一生懸命に理解しようとしている姿も印象的です。
10年以上、世界各国からの生徒さん達が参加する国際的なイベントに大学の最新の研究の講演が取り入れられていること、貴重な組み合わせです。
高校でもいろんな取り組みがなされており、若い人たちのこれからが楽しみになりました。未来につながる経験やきっかけを生み出すしかけを目の当たりに、大学院もうかうかしていられないな、と感じました。
(企画室 岡本)