【演者】藤田尚信先生(カリフォルニア大学サンディエゴ校)
【演題】筋細胞に特異的な膜構造T-tubuleの形成・再構成機構
【日時】10月21日(火)14:00〜16:00
【場所】ナノバイオロジー棟 3階セミナー室
【要旨】筋細胞の収縮は、筋小胞体から放出されるカルシウムイオンにより制御されている。運動神経からの刺激は細胞膜上の受容体を介して筋小胞体へと伝えられ、筋小胞体から細胞質へカルシウムイオンが放出される。従って効率的な収縮には"細胞表面"と筋小胞体が近接している必要があるが、筋細胞は巨大な多核細胞であり内部は細胞表面から遠く隔たれている。そのギャップを埋めるべく、筋細胞には細胞膜と連続したT-tubuleと呼ばれる網目状の膜構造が細胞内に張り巡らされており、細胞全体での同調した収縮を可能にしている。T-tubuleの構造・生理的意義についてはこれまでによく知られているが、形成または再構成のメカニズムは十分に理解されていない。筋細胞の構造は進化を通して保存されており、ショウジョウバエも発達したT-tubuleを持つ。さらに、ショウジョウバエの筋肉は体表近くにあるため、生きた個体のT-tubuleを角質越しに蛍光顕微鏡で観察可能であった。そこで、私は遺伝学的に扱い易いショウジョウバエを用いてT-tubuleの形成・再構成機構の解析を試みている。今回は、私たちが開発したT-tubule形成・再構成それぞれの解析モデルとRNAiスクリーニングの結果、さらに、スクリーニングから得られたT-tubule形成・再構成に関わる因子について、これまでに得られているデータを紹介したい。
【演題】筋細胞に特異的な膜構造T-tubuleの形成・再構成機構
【日時】10月21日(火)14:00〜16:00
【場所】ナノバイオロジー棟 3階セミナー室
【要旨】筋細胞の収縮は、筋小胞体から放出されるカルシウムイオンにより制御されている。運動神経からの刺激は細胞膜上の受容体を介して筋小胞体へと伝えられ、筋小胞体から細胞質へカルシウムイオンが放出される。従って効率的な収縮には"細胞表面"と筋小胞体が近接している必要があるが、筋細胞は巨大な多核細胞であり内部は細胞表面から遠く隔たれている。そのギャップを埋めるべく、筋細胞には細胞膜と連続したT-tubuleと呼ばれる網目状の膜構造が細胞内に張り巡らされており、細胞全体での同調した収縮を可能にしている。T-tubuleの構造・生理的意義についてはこれまでによく知られているが、形成または再構成のメカニズムは十分に理解されていない。筋細胞の構造は進化を通して保存されており、ショウジョウバエも発達したT-tubuleを持つ。さらに、ショウジョウバエの筋肉は体表近くにあるため、生きた個体のT-tubuleを角質越しに蛍光顕微鏡で観察可能であった。そこで、私は遺伝学的に扱い易いショウジョウバエを用いてT-tubuleの形成・再構成機構の解析を試みている。今回は、私たちが開発したT-tubule形成・再構成それぞれの解析モデルとRNAiスクリーニングの結果、さらに、スクリーニングから得られたT-tubule形成・再構成に関わる因子について、これまでに得られているデータを紹介したい。